謹賀新年2022

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年末、最終コーナーギリギリまでお付き合いいただき、ご声援、ご協力誠にありがとうございました。新年も変わらず同じように過ごしてまいります。皆様方にもお付き合いいただければ幸いです。

 関東高校選抜大会とは、早春に行われる全国選抜大会の最終予選でもある。県内予選を上位入賞した選手たちが関東ブロックでさらに競い合い、その上位が晴れて全国大会に出るわけである。本年度は節目の記念大会で、学校対抗戦は各都道府県1チームが関東大会をスルーして出場する。他方個人対抗戦は例年より多くが関東選抜に出場し、いつもよりやや狭い最終関門突破を試みる。

 女子のダブルス、シングルスで何とか全国大会出場の切符を手にした。まさに「怒濤の年末ギリギリ大判振る舞い的切り抜け快挙!」だった。ふと落ち着いて過去の結果のページをめくると、このドサクサ感は何度も味わっているはずだが、毎回毎回、年末の慌ただしさと、急に冷え込む季節感が重なってこんな初めてのような味になるのだろう。

 「どの代が強かったのですか?」「今までで誰が一番強かったですか?」というのが定番の質問だが、やはりなかなか答えるのが難しい。どれだけ長い試合をしたかとか、何本エースショットを打ったかとか、数えられるデータでいくら比較しても「相手がある」試合なので何とも比べがたい。また、特にダブルスなどは「どうやってラリーやゲームを行うか」という【原則】はあるが、それに忠実に従って勝ったペアもいるが全くそうでないペアもいた。そうした「やり方」は【原理】はないからだろう。もちろんその逆もある。が、だからといってそれらを時を超えて比較などできそうにない。

 ただ、「思い出に残る取り組み」はある。感動的なシーンもある。高校生の関東大会なんてレベルが・・・とおっしゃることは重々承知だが、何の変哲も無いデコボコの土の上にヒョッと芽が出てきて、それがスクッと育ち、小さいながらも最初の花が咲いた瞬間の感動は胸を打つ。それは瞬間だが長く紡いだ瞬間だからなおさら感動的なのだ。

 新年早々メールで対応する選手もいるが、やはり年賀状はいいものだ。年賀状を送ってくださる方々は昨年のものを観ながら書く場合が多い、つまり1年前のデータ(はがきの文面)を使うものだから「えっ!知らなかったの?」なんてのはもちろん当方も含めてゾロゾロ出てくる。このタイムラグ感もいいのだろう。

 だけれどもその選手からのメールは違った。

 新年早々ではあるが、年末の大会の反省から入り、自分の無力感、挫折感に満ちた自分への内省を文にしてある。ここまではよくあることだが、彼女はその目線が身近な他者にやさしくおよび、気がつくと大勢の遠くの他者のことまで気を遣いながら言い及んでいる。まるで目線を自分の内側下方向の重心から次第に平行、遠く地平線の向こう側へ、そして視線はどんどん上がり、もっと奥の宇宙に向かう鋭い「希望」の光に変わっていくようだった。

 困難や葛藤は視線を他者に向けられる絶好の学びのタイミングだ、と、どなたかが言っていたが、その通りだと思う。2年におよぶパンデミックの中、こんな時だからこそ人に優しく思いやりが必要なんだ。

 今年もナンダカンダ頑張りましょう!