落ち着きのない梅雨空がもう終わりを迎えようとしている。大丈夫か?
そんな中、あんなにはしゃいで、どろんこになってグニャグニャに植た稲が、手品のように前習えしてスクスク育っている。しかしこちらも収穫については不安材料だらけで、田んぼの神様に祈るしかない。
インターハイ予選を越え、目標をさらに上げて練習に励んでいる。そして今日、期末考査を終え、フル活動に入った。男女ともよく頑張っている。
【その様子です。 男女で掴んだ全国の切符! 西武台千葉高校 バドミントン部 【インハイ出場校密着】スポーツブル 】
もちろん部活動の中心は選手で、彼ら、彼女らの活躍に当然「スポットライト」が当たる。しかしこちらも当然だが、選手を支える周囲の力添えがなければそれらは成し得ない。つまり「スポットライトを当てる役目の人」がいなければ光は届かないのだ。
最も強く絶え間なく明かりを照らし続けているのが親であり保護者であろう。振り返ればこの仕事を始めたその時から保護者と共に歩んできている。
最初は、自分の親くらいの方もいて、「ほら、先生しっかりしなよ!」などとよく叱られたものだ。初めて関東大会に出場したとき、お母さん方が何段にもなった重箱に色とりどりの美味しそうなごちそうを詰めて会場に持ってきてくれ、みんなでほおばった。うれしかった、今でもくっきり覚えている。
単にこちらが歳をとっていくだけなのだが、年を重ねるうちに私にとっての保護者が「姉や兄の世代」になり、「同世代」、そして「弟、妹のような年頃」に変わっていく。さらにこの先、「娘の世代」になるだろうが、その時にまた再び「ほら、先生!」と叱られるかもしれない。
これまでやってこれたのは面々と続く懐の広い保護者の皆さんのおかげだと心底感謝している。このシーズンもいつものように保護者の皆さんに、車出し、差し入れ、そして応援を、選手と一緒、いやそれ以上にやっていただいた。夕刻はみんなで一献傾けながら夢を語る。今年はいつも以上に元気だ。娘たちはおとなしいのに‥‥。
今期の大会ではもうひとつスポットライト係として世話になった人たちがいた。高校生選手たちは未熟で危うく、大人の入り口には立つが尻込みするように踏み込む足が止まる。そんな瞬間、ついさっきまで未熟だったお姉さんたちが来ると安心するようだ。今回も大学生のOGが手分けをしてるかのように会場に足を運んでくれた。「お前ら何してんだよ!ガーンといくんだよ!」と言わんばかりの彼女たちの気迫のこもった応援と、気持ちのこもった差し入れ!?ありがとう。現役の選手とはたったひとつふたつしか変わらないのにこの安心感と信頼感は大きく違っている。この差は何だろ。ちなみに、竹澤劇場は幼馴染の岡本先輩たちと大学生の大会で連続公演中だそうだ。
保護者の皆さんから言われているお決まりのフレーズがある。「私たちも高校生になった感じです。」これには私も共感できる。だって私もずっとそう感じているからだ。コートの中で梅雨空模様になってしまう娘たち。それを察知してかピエロのように、とにかく明るく元気よく、応援団長のように励まし支える。そして時折見せる「肝っ玉母さん的懐の広さ」にもグッとくる。
昔々の話だが、私が教壇につく時、先輩教師から、「先生ってのはさぁ,『学者』であるしさぁ、『医者』にもなるし、ときには『役者』でもあるんだよネェ」と偉そうに言われた。どれもイカサマ(なんちゃって)だが、言い得て妙だ。そう考えると親も、『召し使い』のように振り回されながらも、『人生の先輩』として、そしてなにより『育ての親』として、子どもたちを無償の愛で支え続けている。
スポットライトを当てる係の人にスポットライトを当ててみた。
ホソミンやパー子たち、また夏よろしくね!
