心を伝える

お昼過ぎから久しぶりに本格的な雨降りになった。だが、今はもう小降り、明朝はまた冬の晴れ間に戻るらしい。

今日から高校の入試が始まり、緊張気味の受験生たちが校内をキョロキョロしながら歩いている。

一方で、今日は1/17。阪神淡路大震災からちょうど23年が経った。10代のみんなにはよく分からない昔の「災害」かも知れないが、年寄りにとってはつい最近の出来事のように思えてならない。

早朝のテレビで神戸の慰霊式会場の模様が映し出されていた。5時45分だからまだ暗い。しかも今朝は雨降り。色々な柄の傘の花が咲いている。例年のごとく竹を斜めに切って灯籠にしているのがわかる。だがその灯火はTV画面には見えない。「今年のテーマは『伝』、風化しつつある震災の記憶をつたえる、そんな気持ちから『伝』になりました、が・・・。

歯を磨きながらの不謹慎な黙祷をしつつ画面を見ると、灯火はあいにくの雨で参加者の傘の陰で見えない。『伝』は伝わってこない。

ちがう!みんながその灯火を傘で覆っているんだ。「消しちゃダメだ!」そこにいるみなさんの気持ちが「伝わって」きた。

 

久しぶりに遠くに住む娘に手紙を書いて送った。手紙は良いものだ。用件を「伝える」手段だが、それだったらメールでもFAXでもいい。SNSだっていいんじゃないかな・・・。だけど違うんだよな、手紙は。親子の間だって大切な思いは『手紙』で伝える。伝える内容が重要だが、その伝え方も大切なんだ。

一生懸命書いた「跡」がわかる便せん、下書きの鉛筆が残っている手紙、年老いて振るえる手で書く文字の一字一字・・・。想像も思いもふくらむでしょう。大切な人、大切なことは伝え方にもひと工夫したほうが良いと思う。

大正生まれの年老いた実父を野田に連れてきた。年相応の何回かの病気の後だがなんとかやっている。その父が「テレビ用のイヤフォンが壊れた」と言ってきたので、早速家電量販店に行きちょうどいいものを買って渡した。「あっ、聞こえる。よく聞こえる」とご満悦だった。こちらの誠意が「伝わった」のか大相撲のニュースが「伝わった」のかわからないが「伝わった」。

バドミントンって、羽やラケットを使って自分の思いや「気」を「伝える」スポーツなんだな。

で、アンタたちは何を伝えたいの?(もちつき編は次回です)

冬枯れの厳しさとささやかな希望が伝わる かな?