サ・ク・ラ・サ・ク

 サクラが咲いたと思えば、今朝は車のフロントガラスが凍っていた。花びらの冷凍保存なのだろうか?どうか花見の日までもってほしい。

 学生時代の親友から転勤挨拶状が届いた。遠い地に居ながら栄転の知らせで私までうれしくなった。はがきの隅に書いてある几帳面な手書きの文字を見て、懐かしさとこれまでの彼のひたむきさに頭が下がった。この時期は出会いと別れが錯綜する難しい季節だが、今年は年号までリニューアルするのでさらに賑やかな4月を迎えた。

 つい先日まで茨城県と野田を何度も往復しながら大会に臨んでいた。折しもNHK連続テレビ小説『ひよっこ』の「2」が放映されていたものだから茨城県がさらに近く感じた。「魅力度ランキング」かなんかわからんが、車窓や会場の窓から望むイバラキは落ち着いた風情で心を和ませてくれた。

 学校対抗戦で敗れた翌日、そのイバラキ県内の体育館をお借りして「反省練習」を行った。年度末の多様な日に保護者の皆さんも付き合っていただきさらに頭が下がりっぱなしになった。

 練習後の昼食時間の選手たちの笑顔がとてもよかった。それは悔しい思いでその場に居る選手もいるし、出場できなかった選手や故障で思うように練習ができない選手もいるだろう。しかしそれでもいい顔をしていた。「仲良しチームでは勝てない!」と堂々と言う方が居るが、私にとってはとんだお門違いの話である。お気持ちはよくわかる。そんな甘っちょろい考えや雰囲気ではダメなのだろう。チーム内に切磋琢磨する雰囲気作りが勝つためには必要だ、と。本当にそうだろうか?切磋琢磨と仲良しは真逆のことなのか、競争と協力は違う次元の話なのだろうか。仲間同士競い合うのが切磋琢磨、競い合う相手が居るから競争ができる。平成が終わろうとする今、幻想を捨てて真の昭和、本当の平成の意味を考えるべきだと思う。

 「どんな大会でも、身体が動けなくなるまでバドミントンをやり尽くそう!」というチームの合い言葉通り、その後の個人戦ではキャプテンが、ピッチャーとキャッチャーとバッターと・・・すべてをこなし「新記録」を作ってくれた。しかしもちろんそこにはパートナーがいて、応援団がいて、「お疲れ様でした!」とオレンジジュースを絞って待ち構える後輩がいたからだ。

 選手たちのまぶしいくらいの笑顔を見て家路に向かうとき、河原や土手にいっぱい広がる菜の花に出会った。これも春の出会いだ。

 午後から風が強くなった。どうかサクラの花びらをお守りください。週末までは。

鬼怒川土手の菜の花