60th Birthday
梅雨空が最後の足搔き(あがき)の様に時折暴れている。しかし、夕焼けの向こうにはもうすでに真夏の空がこちらをチラ見していた。
特段変わりのない日曜日のお昼過ぎに、いつものように体育館に足を運び、最前線で活躍するであろう(?)選手にノックを上げていた。
その後、サプライズとはこうなのだ、というくらいベーシックな(失礼!)歓待を受けた。
壁には「還暦おめでとうございます!」らしい看板があり、密を避けつつ些か遠巻きに私を迎えてくれるみなさんが鎮座している。一方、スクリーンには懐かしい顔と声がVTRで切れ目無く続いていた。
「高校時代が良かった」「あの頃が今を支えている」などと口々に私をアゲてくれるメッセージが繰り返されると、本当に良かったのか?と自分が引き起こしたた様々な迷惑三昧を思い起こし、逆にいたたまれなくなってしまった。「思い出はイイトコ取り」などと言われるが、過ぎてしまった辛さや苦しさはさておき、仲間と共に過ごしたかけがえのない「時」がすべてを純白に染め上げているかのようだ。
Z世代の先生が中心となり、会はリモートで多くの方々にも楽しんでいただいたらしい。こちらも地球の裏側からの中継のように少し遅れながら大声になってしまった。ほんのひと時のサプライズにジーンとした。
他方「職業病」だと感じたのは、こんな楽しいひとときにもかかわらず練習が気になってしまうことだ。気が付くと3階のアリーナに足早に向かっていた。その日のために考えたメニューもあるし、故障で苦しんでいる選手も気になる・・・。
誰もいないアリーナに一足先に入ると、私を一人にしてはいけない・・と気を遣った古老OBが間近に座りなだめるように話しかけてくれた。まるで介護老人と職員のように・・・、というのは大げさで失礼な話だが、その心遣いがすぐに伝わりうれしかった。
とりわけうれしかったのは、みなさんからいただいた多くの「手紙」だった。見覚えのある字で書かれた文面を読むうちに、卒業後の苦労を克服して今を強く生きている姿が目に浮かんで、便箋をめくる手が震えた。そうか、そうだったのか・・・と。
「明るく元気にガンバレ!」と毎日選手に話す。そしてそれに対して、オマエはどうなんだ?と時折思うときがある。オマエは元気か?明るいか?と繰り返し問いかけるが、自信満々で「そうだ!」とは言いがたい。何かいつもモヤモヤした気分でスカッとはしない。しかし、この気分も迫りくる梅雨明け宣言とともに、あの夏の真っ青な空、巨大な入道雲、そしてギラギラ太陽・・・が振り払ってくれるはずだ。
いつものように変わらぬ朝を迎え、体育館に足を運び、選手たちと対峙する。そして授業の準備・・・、とただひたすらルーティーンを繰り返しながら、ふとサプライズメッセージや手紙を思い出し、ほくそ笑みながら自身の心を奮い立たせている。
みなさん、本当にありがとうございました。この場をお借りいたしまして全ての方々に御礼を申し上げます。
追伸:いろいろとお問い合わせをいただいているインターハイは8/7から富山県高岡市で、信州夏季合宿は8/19から行います。登山、BBQは20日です!
参りました!
子育て真っ最中ですね
お二人さんご苦労さん!
もう3人も・・・楽しそうだね
そうなんですよ60歳なんです。
みなさんありがとうございました!