梅雨前線

 梅雨と聞けば、静けさの中の長雨という印象だったが、昨今は「三十年や五十年に一度の・・・」という枕詞がつくほどの記録的な豪雨が頻繁に発生している。私は災害報道を見るにつけ、我が身への不安が高まり、ハザードマップを目の前にして黙ってしまう。

 今期の梅雨の始まりは例年に比べて遅かったが、ちょうどその頃インターハイ予選が行われた。

 何度経験しても毎年選手が代わるので、安心などはできない。特にこの頃になるとコンディションが崩れ出す選手が現れ不安に拍車がかかる。選手達はやる気満々、練習も十分にこなし自信あふれた表情でコートに立っているが、もしかしたら私が一番ビビっていたかもしれない。というのは私の脳裏をかすめるのはいつでも「最悪の結末」だけだからだ。セイフティーネット役の監督としてはもっともだと思うが、あまり気分がいいものではない。しかしひとの不安をよそに、高校生達は筋書きのないドラマを見せてくれる。今年もそうだった。感動の雨で私の心の不安が洗い流された。盛夏には「三十年に一度の・・・」とか「今まで経験したことのない・・・」が私を待っているのだろうか、楽しみである。

 昨日高校時代の旧友が西武台を訪ねてくれた。四十年以上前の仲間であるが、中心を貫く一本の気魂はそのままだ。話しているうちに、ずいぶん勉強をしていることがわかった。高校生に話しかける姿は人生の先輩そのものだが、話の内容は若者にきっかりファインチューニングされたことばかりだった。なぜ困難を克服できたのか、なぜ前に向いて進んでいるのか、それは彼の言う「楽しい」という一言に集約していた。「そうすれば勉強するよ、知りたいもん!」この言葉が選手の心にズバッと刺さったし、私の心にも深く共鳴した。今朝提出してきた選手のノートにも詳しい感想が書かれていた。いずれ夏休みに入ったら、選手ばかりでなく保護者や関係の方々に向けて「スポーツと社会」とか「オリンピックとパラリンピック」といった話題で講演していただくために再来校しもらおうと思っている。楽しみだ。

 今は定期考査期間中なので体育館はひっそりとしているが、その間に『西武台LED化計画』が着々と進められている。今までより小ぶりであるがより明るく長持ち、ボタンを押せばすぐ点灯する、そしてなにより省エネになるらしい。第2体育館も見違えるくらい明るくなった。

 コロナ禍で行く手を阻まれている、「感じ」はするが、そうでもない。逆にチャンスが広がっている気分になった。

おもしろいお酒をいただきました。もう随分なまけ者ですが・・・・