性格

全国高等学校選抜大会が愛知県豊田市、岡崎市で行われた。

今回も保護者や関係の皆様の協力によって全行程無事に、そしてなにより予想以上の活躍に胸をなで下ろしているところだ。

今年は5年ごとの記念大会の年だった。学校対抗戦の組み合わせは開会式直後に抽選によって決められた。各チームのキャプテンが箱から色つきのボールを取り出し、その番号を伝える。そのたびに会場は響めく。結構盛り上がった。どこもこの日まで鍛え上げてきたものだから熱戦に次ぐ熱戦だった。しかし不思議なものでシード校は順当に勝ち上がる。番狂わせは余り観られない。

大会が始まる前から期間中、あらゆるメディアで、大阪の私立小学校問題が伝えられていた(今も続いている)。国会がまるで司法の場になり、テレビを中心に国民がその裁判員になった様な気分で、つまりよく知らないくせに、さも正論を持った賢者のふりで見守る。

どちらが正しいか知らないがどちらかが「ウソ」ついているのだろう。だとすればこれからの親は子に向かってこう言うかもしれない。
「そんなにウソばかりついていると政治家になってしまうよ!」とか「教育者になっちゃうよ!」なんて。
別のチャンネルを観れば、批判を超えた止まることを知らない『悪口』が飛び交っている。ならば、
「そんなに悪口ばかり言ってると『大統領』なっちゃうよ!」となるかもしれない。

評論家気取りで遠巻きに見下ろしていると、「先生、明日練習観てください!」と電話が鳴った。ハッとして慌てて体育館を探し暫し練習に付き合った。選抜で負けたのが悔しかったのだろう、目が尖っている。私にすれば何度目かの屈辱だったが、彼女らにすれば人生初、しかも最大の挫折だったのかもしれない。つまり、はっきり分かった事実は目の前にあった。

才能は静けさの中でつくられ、性格は世の荒波の中でつくられる。