Tears of mother, Smile of father.

何の香りだろうか、夜おもてに出ると春の匂いがする。

30期生が卒業した。そして「春が来た2018」も盛大に開催された。いつものように、みなさんの心のこもったもてなしと、どこで稽古をしたのかわからないが年々質が高くなりつつある恒例の「party trick《隠し芸》」にも春を感じることができる。

卒業生を送る会でもあり、ニューフェイスを迎える会でもあり、そして冬を越えたそれぞれの苦労を讃える会でもある「春が来た」は、西武台を離れても思い出に残るイベントのひとつだ。

正式には今回で24回目だろうか、それ以前はみんなで食事をするくらいだったが、そのうち現役や保護者やOB、OG、関係の方々も巻き込んで賑やかになった。当然、準備やおもてなしの気遣いは大きくなって苦労も増えた。何せ100名以上は集まる会だから、食べ物ひとつでも気を遣う。

定番はカレーだ。いつもは料理なんてしてないんじゃないか?と思う女子選手たちが見事に作り上げみんなに振る舞っている。かと思えばお母さん方は手のこった料理やスイーツを披露してその貫禄を見せつけてくれる。お父さんはというと、差し込んでくる日差しを顔に受けながらニコニコしている。

私はこんなのんびりゆるやかな人の集まりがたまらなく好きだ。

その会の中盤、高校女子選手が劇を披露し、終了後歌を唱った。ピョンチャンオリンピックのNHKテーマ曲「サザンカ」だった。直前の衣装や化粧をつけたままぎこちなく歌を口ずさむ。気づくと前に座っている卒業生の目に涙があふれている、それにつられ歌っている方も涙ぐんでいた。

なぜ涙ぐむのだろうか?

「ショッピングモールの歌姫」でひときわ人気を集めている歌手の半﨑美子さん。歌を聴いている方々もご本人もよく泣く。その歌声もメロディーも、そして誰のためだろうか「あなたのために」歌うその歌詞などは聞いている我々の心の弦をジャンジャンはじく。だが、決して悲しいわけじゃない。うれしいのだ。

悲しいときも、うれしいときも涙が出るが、これらは人間の人間としての正直な姿だと思う。ことにうれしいときの涙はいいものだ。

Tears of mother,

いつか 教えてくれた うれしいときに流す涙

Smile of father,

あの日 悲しい心 何も聞かずに 笑いかけた

【2018進路情報】

小沼選手 慶應義塾大学

伊藤選手 東京理科大学

有川さ選手 聖学院大学

山田ち選手 大妻女子大学

佐藤な選手 大妻女子大学

古橋選手 文教大学

對馬選手 文教大学

淀ち選手 受験準備中

相澤選手 日本大学

中村選手 素浪人

首藤選手 作新大学

後藤選手 共栄大学

山崎選手 受験準備中

Smile of yours

桜が満開。土手には菜の花が絨毯のように咲き誇っている。