夏のともだち

 気づくと、田の稲穂が黄色くなっている。当方も週末に稲刈りの予定だ。8月も最終コーナー。今夏は長くも、短くも感じた変な夏休みだった。いつもインターハイを中心に感じながら生活するが、いつになく遅い開催だったので感覚がズレたのだろう。

 NHKのBSプレミアで毎朝「朝ドラ2連チャン」が放映されている。後半は新作の『らんまん』で、前半は、何年も前に放映された『あまちゃん』の組み合わせである。史実を基に描かれている『らんまん』ももちろんいいが、『あまちゃん』は登場する役者もさることながら、脚本から演出まで本当によくできている。先日そのワンシーンで、新人アイドルがオーディションの最終発表を待つ場面を見た。それぞれライバル、だけどそれぞれ同じ境遇、心の中はいろいろあろうが、互いを尊重する表情や態度が描かれていた。あまちゃんがそこで選ばれた瞬間、対立アイドルは「おめでとう」と言いながら目を潤ませていく。

 札幌インターハイで見た光景がそのものズバリだった。こちらは観客席であったり、通路であったり・・・会場のあちらこちらで。「おめでと!」と吹き出す汗をタオルで拭きながらも、一向に止まらない涙目で「ともだち」を称えている。収まる頃には互いが笑顔で話し込んでいた。女子選手の「女性」たる所以である「コミュ力」発揮の場面を目にし、こちらの器の小ささに呆然とした。

 私も「ともだち」に会った。一人目は学生時代の友人で、久しぶりの再会であったが、元気に活躍している様子に励まされ、一献を傾け続け、最後は自分が傾いていた。

 二人目は「海外協力隊」で活躍し、札幌市内で小学校の教員を務めている青年である。市の中心部から遠く離れた山の中の学校で活躍している彼は、今や「こどもたちの協力隊」として立派な先生になっている。またまた頭が下がった。

 そう思い起こすと、今夏は多くの方々とお会いし、薫陶を受けることができた。時系列に振り返れば、信州合宿で会ったり、お世話になった方々。鳥取でご指導をいただいた先生方やお世話になった方々(詳しくは次回で)。そしてインターハイで。バドミントンを通じた多くの方々とお話をする機会もあったが、加えて、読んだ本の著者や登場人物、観た映画の中の人々・・・、と多くの人間と「出会った」夏だった。

 そうした日々を通じて、竹ちゃんはじめ選手のひとりひとりとじっくり向き合うことができ、感謝に堪えない。さらに今まではセカンダリーだった1、2年生を、これからはトップとして観ていける幸せも強く感じている。

 とはいうものの、まだまだ暑い。第2体育館は特に暑い。扇風機が壊れた!少なくとも選手が壊れることのないように注意しよう。明日から最後の大会、全国私学大会が東京で行われる。稲刈り前の最終ダッシュだ。Go!

Thank you,竹澤劇場!

Thank you, Sapporo!