ご破算で願いましては!

四国は松山で行われていた全国選抜大会から戻り、休まず『陸王』の街、埼玉県行田市で東日本の選抜大会(旧研修大会)に参加してきた。

選抜では第3位に入賞できたが、身内でさえ予想していない成績に、ドラマ仕立ての高校スポーツの面白さを再認識している。
いつも合い言葉のように口にするのは「その会場(体育館)で一番遅くまでやろう!」だったが、それは叶った。最後はさすがに観客席もまばらだが、その席すら目に入らない集中状態で初日を終えた。
羽を打ち合う音、コートを走りまくる靴音、そして「いっぽ~ん!」という聞きようによっては切ない声だけが館内に響く。
後ろ姿から深く息を吐いている姿がうかがえる。『ガマン、ガマン・・・』って言っているのもわかる。何かと工夫がなされたルーティンを選手はやっているものだ。

さて、今日は今年度の大晦日だ。明日(エイプリールフールで日曜日)からは新年度が始まる。リセットするにはちょうど良いタイミングだ。

最近はどうかわからないが、我々年配者にとっては「そろばん」はイノベーションだった。そろばん塾に通ったことや、巨大そろばんを拝みながら授業を受けていた頃が懐かしい。
塾に行っている奴らは計算が速い。暗算だ。よく観ると指先で「エアソロバン」やっているではないか!TVでは当時「万国びっくりショー」などに「天才少年・少女」が、絶対にムリな加減乗除を、いとも簡単にこなし、TVのこちら側の少年少女はビビりまくり、親父は「そら見たか!あれが天才っていうだよ!!」と酔った拍子にあちら側につく。
個人的には読み上げ算での「・・・円也(な)り!」というコールに「何でお金なんだ?」とブツブツ思っていたが、いざ自分で習い始めると、ソロバンとは「機械」操作だけではなく「頭(暗算)と指先のコラボレーション」であって、「技能の習得」であることがよく分かった。

たまたま今朝のニュースで海外の子どもたちが「ソ・ロ・バ・ン」に打ち込んでいる姿が取り上げられていた。英語で数字を言っていたが「円なり」は言っていなかった。「・・・ダラー」だったかな?
では最初の「ご破算で願いましては」という、電卓でいえばACボタンのようなもので、バドミントンでいえば「ラブオールプレイ!」のようなコールは英語で何というのだろうか・・・。いわば「リセット」である。

今日、明日がまさに「ご破算で願いましては・・・」のタイミングだ。
「今までのことはすべて忘れろ!」そして「さらに大きな志をもて!」というコールなんだろう。

良かったことも、辛かった思い出も、一度ソロバンを立てて、「シャッ」と珠を揃え、また新たな第一歩を踏み出そう!

明日はそういう日にしたい。

※最近のソロバンって、ボタンひとつで「ご破算状態」になるって知っていましたか?お父さん。