コールドムーン

 つい先日半分だった月が、今夜は真ん丸に明るく輝いている。冬の夜空は毎日が天体ショーだが寒いのが玉にきず。

 ジュニアグランプリで今年も好成績を残すことができた。18回という若い大会だが、私自身は監督として皆勤出場を続けている。

 確か第1回は神奈川県の川崎市で行われたと思う。ご存じのように以前はダブルスも行われていたが、その大会は11点5ゲームだった。

 その後広島県や群馬県を経て宮城県仙台市での連続開催になった。震災もその間に起きた。会場のすぐ脇の道路がグニャグニャになっているいるのを見てその甚大さをあらためて感じだ。そんな境遇の中、開催に、運営に尽力をつくされた仙台の方々には頭が下がった。

 そして大会は栃木県宇都宮市に移る。それと同時にダブルスがなくなり、小中高生のシングルス3試合に大会形式が変更された。正直寂しい気持ちでいっぱいだが、様々な検討が重ねられそうなったと思うほかなかった。

 「小学生、中学生、そして高校生でチームを作る」という発想は大変いいことだと思う。というのもバドミントンは、こどもも大人も、男も女も同じルールだからだ。同じコートの広さ、ネットの高さ、ラケット、そして同じ思いを羽に乗せてラリーを繰り返す。こんな素晴らしいスポーツは珍しい。

 生意気盛りの小学生が、すこし「ちゃんとした」中学生になり、しっかり者で面倒見のいい高校生になっていく。成長の道筋を間近に寄り添えるのもこの大会の大きな楽しみだ。

「人」は変わる。そして大きくあたたかな心をもつ独立した「人」になっていくのだとよくわかった。

 問題がないわけではない。ダブルスをやりたいとか、すべての県が出られるようにしてほしいといった形式的な問題から、所詮急造チームだからまとまりがない、などの本質的な課題。さらに時節柄「スカウト」や「売り込み」の花が会場のあちこちに咲き乱れる(そういえば最近は減ったな・・・)こともあり、やや興ざめな経験もした。それでもこのようなつながりが今のジュニア、そして世界に君臨する日本ナショナルの活躍にもつながっているのかもしれない。

 いずれにせよ、「いつもとは違う」、そして利害関係なく、ゆるく幸せな思いができるのもこの大会ならである。

 今大会では、小学生の二人の女の子が自分たちのオリジナル(?)の応援コールをしてくれた。まだ声変わり前の澄んだ高い声のコーラスを聞くだけで私などはグラっとしてしまうほどだった。

 年上の選手があれこれ面倒を見る、それを「そうなんだ」と学ぶ年下の選手もいる。それがふつうかもしれないが、幼い子、年下の子からでも学ぶことはいくらでもある。だからいろいろな人の中で生きることが大切なのだ。

 異なる人の共同作業は、単にひとりではできないことを可能にするだけではない。加わった人それぞれが今まで観たことのなかった色に染まるよろこびを味わうこともできる、それがいいんだ。

 ありがとうございました。

 あれっ!明日から試験じゃないの?

 そして関東選抜、うらやましい忙しさだなぁ。

 

この4人が頑張りました!